一日葬、火葬式について⑥ 斎場について、連絡、供花、弔電、お香典について
一日葬や火葬式に適した斎場について概略を解説します。
小規模な葬儀を行うのに気になる、訃報の連絡の際の注意点も知っておきましょう。
そのほか、供花、弔電、お香典の扱いについて、お礼状の留意事項についてもご説明します。
一日葬、火葬式に向いている斎場
「火葬式」「直葬」では斎場は用いませんので、特に「向いている」「向いていない」はありません。
炉前の規模がそこそこか、かち合わない方が、落ち着いてお別れができるでしょうが、予約の都合などで、必ずしも選べるものではありません。
葬儀会社との打ち合わせの際にあいていればより希望に近くなる、と考えるのが無難です。
「一日葬」では、より小規模な斎場が向いているといえます。
スタンダードな斎場ならば、十分に目的にかなうといえます。
一軒を貸し切りにする「家族葬」専用斎場などの特化したこだわりがある斎場は、一日葬では使いにくいでしょう。
「一日葬」は費用の軽減を主眼に置いたプランではありませんが、民営の斎場よりも公営の斎場のほうが、会場費を削減したい場合は向いています。
スケジュールによっては、細かい時間貸しをしている、市民集会場、区民集会場のなかで、葬儀にも使える会館が候補に入ってきます。
身体的な負担を軽減が主目的の場合は、バリアフリーに配慮されているところや、受付がロビーのなかにあるところが良いです。
特に夏や冬の弔問は、高齢者や体が強くない方にはこたえます。
休憩室が座敷ですと、ひざや腰のよくない方にはこたえます。
できれば椅子のほうがいいでしょう。
和室の場合、座椅子などを調達できるかどうかも、葬儀会社の担当者に聞いてみましょう。
一日葬、火葬式の連絡
一般的な葬儀で参列する場合、「通夜」にゆくか「告別式」に行くか、どちらかと言う場合が多いです。
参列できる時間が限られている「一日葬」「火葬式」の場合は、通知をする場合に「一日葬、火葬式にする旨」を明確に知らせておくのが親切でしょう。
それ以外は「一般葬」の連絡と変わりません。
日時が限られていて、参列できなかった方に対する対応は、あらかじめ考えて置きましょう。
「一日葬」を検討する場合、そもそも人数が少ないことが多いですが、連絡先を検討してみたら意外と参列者がいるかも、という場合があります。
対策としては、まず、葬儀の規模を大きくする方法が考えられます。
時間的プランはそのままで、会場を少し大きめのものにする方法です。
ですが、この場合は見ばえを考えると、祭壇などもサイズアップしたほうがいい場合もあり、費用が増える可能性が大きいです。
参列者が増えると、式次第の進行に時間が必要になることも考慮しましょう。
会場のサイズなどを変えないで対策するのでしたら、呼ぶ方の基準を「家族葬」に順ずるのもいいでしょう。
この場合、葬儀の段取りは「一日葬」で、呼ぶ方は近い身内の方と、特にお世話になった方などの「呼びたい方」に別途、連絡をします。
それ以外の方には、身内で葬儀をする旨を明記して連絡します。
来られなかった方の弔問については、後日の対応になりますが、なかなかに大変なものです。
人数によっては、別途、お別れ会を設けるのも方法のひとつです。
「火葬式」の場合は、お身内と、「きて欲しい方」に個別連絡をします。
「火葬式」のキャパシティーは10人くらいまでで設定されている場合が多いですから、それより増える場合は「一日葬」のほうがよいでしょう。
「初七日法要」まで行う場合は、お食事も用意する場合が多いです。
人数が少ない場合、斎場の手配ではなく、料理屋などで外食にするケースも多いです。
僧侶をお呼びする場合、斎場なのか、移動しての外食なのかはきちんとお伝えしておきましょう。
「宗教者へのお布施、お礼、お食事代」については、「通夜」はしませんので丸ごと省かれますが、それ以外は、儀式が一日でも、同じ額を包みます。
僧侶の手間などは特に軽減されないからです。
一日葬、火葬式の弔電、供花
「一日葬」に関しては、供花、弔電、お香典に関して、「一般葬」との違いはありません。
「返礼品」も用意します。
返礼品は、使った量だけの精算ですので、人数なりの金額に納まります。
儀式が短いからといって、供花やお香典、弔電を辞退することはありません。
「火葬式」「直葬」の場合、供花は、置く場所がありません。
「火葬式」で斎場やご自宅で「お花いれ」を行う場合、置けることもありますが、喪家のほうで先に葬儀会社と相談して、方針を決めて置きましょう。
儀式をしませんので、「弔電」もよむ機会がありません。
「弔電」「供花」「香典」については、辞退される場合が多いです。
方針については、連絡をするときに明確にしておくのが親切です。
「火葬式」で、参列する方については、「お香典」を辞退しなくても構いません。
任意でご都合に合わせてで構いませんが、返礼品は用意する必要があります。
斎場のように置く場所が確保されていませんので、後日、お送りするのでもいいでしょう。「一日葬」にせよ「火葬式」にせよ、後日にある程度の対応が必要な場合は多いです。
葬儀会社では、返礼品が後で必要になった場合の対応もしていますので、ご都合にあわせ利用すると便利です。
「一日葬」「火葬式」でのマナー
「一日葬」「火葬式」に呼ばれた場合のマナーについてもご紹介しましょう。
呼ばれた場合は、「辞退する」旨、連絡がなければ、お香典は持って行って差し支えありません。
連絡で訃報を聞いても、呼ばれていない場合は、お香典を行く人に預けるなどは避けましょう。
ご遺族の意向を尊重するのが、なによりのマナーです。
お香典を送りたい場合は、日を置いて打診するなど配慮が必要です。
その場合も「お花代」などお返しに気を遣わない方法がスマートです。
「家族葬」「一日葬」であれば、辞退の記載がなく、日時が記されている場合、「弔電」「供花」は送って差し支えありません。
花輪は置けない会場もありますから注意が必要です。
「火葬式」「直葬」の場合は、「供花」「弔電」をとどける場所になる葬儀会場がありません。
当日に自宅についても困りますので、後ほど何らかの形で弔意を示すのがいいでしょう。
弔電、供花のお返し
会社関係の弔電については、会社宛にお礼状を送るのがいいでしょう。
規模により、大きい会社なら上司、小さめの会社なら社長に送ります。
それ以外の方からの弔電のお返しはお礼状がいいでしょう。
菓子折りなどをおくる場合もありますが、必須ではないので、ケースバイケースです。
供花については、お礼状とお返しを送ります。
金額相場は、お花の1/3から半分程度です。
お茶、お食事、石鹸など、あとに残らないものや、ハンカチなどの日用品が良いでしょう。
時期に関しては、四十九日を目安に、あまりおそすぎないのが良いです。
キリスト教、神道の場合も、四十九日に類するおまつりの頃を目安とします。
お礼文の文面には、季節のあいさつは必要ありません。
故人の呼びかたは「故○○」や「故○○儀」とします。
その後に、弔電、供花のお礼を記します。
お礼状の独特の注意としては、文面には句読点は入れません。
元々は毛筆の手紙では句読点を使っていなかったのが由来です。
「また、よろこぶ」などのおめでたい言葉は使わず、別の言い方に変えましょう。
慣例で問題ないとは言え、手紙を使うのは略式ではありますので、略儀でのお礼になることについて一文入れるのが良いでしょう。
「家族葬」「一日葬」「火葬式」「直葬」など、一般的な参列を遠慮した場合は、可能でしたら、故人がなくなった経緯や、小規模な葬儀にした理由を書き添えておきましょう。
お礼状を受け取った方の気持ちの整理がしやすいものです。
立ち入った事情は書かなくても差し支えありません。
故人の人間関係に良い形で区切りをつける心づもりで配慮をすると、出す側にも受け取る側にも、よい手紙になりやすいです。
ご遺族に「お悔やみの手紙」を出す場合も、前文は省き、主文から書き始めましょう。
「たびたび」「重ねて」「相次いで」などの忌み言葉に注意しましょう。
また、本来ならご遺族がいうべき言葉を、なぐさめのつもりで書いてしまわないように気をつけましょう。
「天寿をまっとうされたのだとおもいます」などです。
これは、注意しすぎるということはありませんから、十分に気を配りましょう。
この記事を書いた人
古橋 篤(ふるはし あつし)
チームで支えるお葬式
数年前に父を亡くした時、東京葬儀にお葬式を依頼しました。
その時の担当プランナーに助けてもらったこと、東京葬儀の想いに共感したこともあって、今の自分がいます。
自身の経験から、お客様の負担、不安を取り除き、最後のお別れに想いを向けていただけるよう心がけております。
お客様の声をよく聞き、その想いを実現することが私の仕事だと考えます。
心に残ったこと
自分が育成したプランナーがご家族から「ありがとう」と言われている姿を見たときです。
しっかりとご家族とコミュニケーションをとり、提案し、一緒にひとつのお葬式を創り上げている姿をみたときは東京葬儀の想いが受け継がれていると嬉しい気持ちになりました。
出身:東京都
趣味:バレーボール、料理
好きな映画:「リトルダンサー」
好きな音楽:クラシック