葬儀に呼ぶ親族、遺産を相続できる親族を知るために、親戚相関図を作ろう
あなたは親戚相関図をご存知ですか?
もしかしたら家で探せば出てくるかもしれません。
もし家族が亡くなった際などに、親戚をすぐ把握できるように、親戚相関図を作成しておいたほうがいいかもしれません。
今回はそんな親戚相関図の概要や作成方法、遺産相続などについて細かくご紹介していこうと思いますので、ぜひご参考にしてみてくださいね。
親戚相関図とは?
親戚相関図とは家族の相関関係などを図形や線を用いて作られる図表のことを差します。
すでに作成されている家庭も多いですが、まだ作成されていない場合にも作成しておくと親戚や自身が亡くなった際にとても便利ですので、作っておくといいでしょう。
今まで知らなかった親戚やご先祖様のことを知ることが出来ると面白いですよ。
親等について
親戚相関図を作成する前に親戚関係の等級について少し勉強しておいたほうが作成しやすいです。
まず、親子関係の数え方は1親等(しんとう)、2親等(しんとう)で、血のつながった人のことを血族(けつぞく)といいます。
直系(ちょっけい)は血筋が親子関係によって直接つながっている系統のことを言います。
さらに姻族(いんぞく)というのは本人や血族が婚姻した際に親族関係になった人々のことをいい、さらに直系から枝分かれした血筋のことを傍系(ぼうけい)といいます。
基準となる人の先の世代の血族のことを尊属(そんぞく)といい、逆にあとの世代のことは 卑属(ひぞく)といいます。
たとえば自分を基準として父は直系尊属となり叔母は傍系尊属になります。
一方で自分を基準としておいは傍系卑属になり、子は直系卑属になります。
葬儀などで困らないように親戚相関図を作っておこう
親戚相関図を作成する際には簡単なルールがあります。
まず、男性は□(四角)、女性は〇(丸)などにして性別をわかりやすく書いておくといいでしょう。
図の始まりはまず「本人」を中心に考え、そこからどんどん枝を伸ばしていくように親族関係を書いていきましょう。
枝のつなぎ方ですが、縦は「親子関係」、横は「夫婦関係」とし、夫婦は「=」でつなぐといいです。
夫婦の場合には右側を夫、左側を妻とし間に縦線をいれたうえで子どもを書きます。
子どもは性別問わず、右から生まれた順に記載していきます。
もし離婚した場合には「=」を「//」で記載するか、「×」を記しておくと分りやすいです。
親戚相関図を書く際に持っておきたいのは戸籍謄本です。
両親の管轄している役所に戸籍謄本等を直接請求します。
しかし戸籍謄本で知ることができるのは本人の直系の戸籍のみです。
親戚相関図を作成するといえば、明治19年まで取得することができます。
直系ではないところまで探るには、配偶者本人から戸籍謄本を請求してもらうか、委任状を書いてもらって請求するほかありません。
役所は平日の日中にしか空いておらず戸籍の役所が遠いとなかなか取りに行けませんが、遠い場合には郵送で取得することも可能なので、一度各市町村に確認してみるといいでしょう。
親戚相関図を作成するメリットは?
まず、図にすることでご先祖様の存在が実感でき、人と人とのつながりをしっかりイメージできます。
また、知らなかったご先祖様の事も知ることが出来、時代を感じることであらたな発見にもつながります。
最近では親戚相関図を作成してくれるサービスも増えてきており、書類だけでなくデータ(CD)にして保管することもできるのでおすすめです。
自分や両親、親戚が生まれたきっかけとなったご先祖様を知らないまま最期を迎えるなんて少しさみしいですよね。
一度、親戚相関図を作ってみてあなたのご先祖様を探ってみてはいかがでしょうか。
葬儀に呼ぶ親戚はどこまで?
法律上では親族は「六親等内血族および配偶者と、三親等内の姻族」となっています。
特に法律上の親族全員を呼ぶ必要はないと思いますが、訃報はもれなく伝えておく必要があります。
家族葬にする場合などには三親等の血族が一般的だと言えます。
急に亡くなった場合においてはどうしようもありませんが、出来るだけ葬儀に呼ぶ親等などは本人の希望に沿って呼んだ方がいいでしょう。
訃報はどうやって流すべき?
訃報を伝えるにはFAXや電話、町内放送、自治会の掲示板など様々な方法があります。
基本的に親戚・友人・知人への訃報は電話がいいでしょう。
一方、会社などに向けてはFAXが理想的です。
知らせる内容は、亡くなった人の名前、亡くなった日時、死因、葬儀の日時・場所(未定の場合はその旨も伝える)、自分か喪主の連絡先です。
早ければ早い方が良いですが、取り乱していては大事なことを言えない可能性もあるので、ゆっくりと落ち着いてから報告するのが一番いいでしょう。
遺産相続ができる親族って?
本率場、遺産相続のできるご遺族は「配偶者」と「一定の血族の親族」になります。
遺言などがあれば異なりますが、一般的な相続順位は配偶者、子、父母、兄弟姉妹の順番になります。
⑴配偶者が遺産相続する場合
もちろん戸籍上入籍していなければ適用されません。
いわゆる内縁や事実婚の場合は相続できませんので注意が必要です。
故人が遺言書にて「内縁の配偶者へ遺産を渡す」と記載していれば遺産を相続できます。
ちなみに、離婚している場合は相続権はありませんので注意してください。
⑵子が遺産相続する場合
子の数を均等に等分します。
養子であっても戸籍上故人の子どもであれば実子・養子に関わらず均等に分配されます。
(胎児である場合には生まれているとみなされます。)
もし、子がすでに亡くなっている場合には、孫やひ孫など直系卑属が代替わりして相続しますが、再婚している場合の連れ子においても養子縁組している場合には相続します。
また、親が離婚している場合、親が再婚していてもいなくても、父親・母親両方の相続することができます。
認知した子がいる場合は、認知した子の相続割合は婚内子の1/2ときまっており、養子は養親も実親も両方とも相続をします。
⑶相続人が未成年の場合
相続する人の親権をもっている人が未成年後見人として遺産分割協議に参加することになります。
しかし、親権をもっている人も相続人の場合には家庭裁判所などで特別代理人を選任してもらい、「特別代理人が」遺産分割協議に参加することとなります。
⑷父母が遺産相続する場合
父母など直系尊属が相続人になる両親ともに相続する場合は均等に等分します。
もし、両親がすでに亡くなっている場合ついてはその直系尊属である祖父母が相続することとなります。
また、両親が離婚している場合についても父・母均等に相続することができます。
さらに、両親が離婚して再婚している場合には、故人と再婚相手が養子縁組していれば親の再婚相手も相続します。
⑸兄弟姉妹が遺産相続する場合
兄弟姉妹で均等に等分して相続します。
もし、兄弟姉妹がすでに亡くなっている場合はおい・めいが代替わりして相続することができますが、さらにおい・めいが亡くなっていても、甥・姪の子は相続できません。
また、腹違いの兄弟姉妹の場合は、腹違いの兄弟姉妹が相続する割合は、父母が同じ兄弟姉妹の1/2となりますので注意してください。
生前に話し合うことの大切さ
故人の親戚相関図を作成し、「直系だから」や「血族だから」という固定観念で色んな人を呼んでしまうケースが起きます。
そうすると、故人としては「あの人は呼んでほしくなかった」など故人の遺志を尊重しない結果となってしまうのです。
そうならないためにも生前に話し合っておくのはとても大事なことです。
その際のポイントとしては“本人の遺志をしっかり尊重すること”です。
遺族は「最期は派手に見送ってあげたい」と思うかもしれませんが、本人は「家族葬で静かに見送ってほしい」と思っているかもしれません。
そういった行き違いがないように、葬儀に呼びたい親戚や友人、どういった形式の葬儀がいいのか、遺産相続など本人の希望としてしっかり話合いとしておくことをおすすめします。
一番いいのは故人がしっかり「遺言」を残しておくことです。
遺産で親族がもめることもないですし、すっきりと自分の遺志を伝えることが出来ます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
自分のまわりを整理整頓しておくためにも親戚相関図はとても重要な働きをしていますね。
あなたも上記を参考にぜひ親戚相関図を作成してみてくださいね。
この記事を書いた人
坪木 陽平(つぼき ようへい)
家族以外で一番近い存在に
数年前、祖父が亡くなった時両親と葬儀の準備を進めました。
初めて会う方には勿論、ご住職やご会葬者、葬儀社の方にも気遣いばかりで、気が付いたら葬儀は終わっていました。
振り返れば祖父を想いながらしっかり見送ってあげられなかったことが心残りです。
自分の経験からご家族の想いを大切にしたお見送りをしていただきたいと思っています。
私にはいつでも何でもどんなに些細なことでも、遠慮しないでおっしゃっていただける関係づくりを目指しています。
心に残ったこと
お葬式を終えてから半年経ったお客様から電話が来て「元気してるのー?寒くなったから風邪ひかないようにねー」と息子に電話するかのように気軽に連絡いただけたことです。
これからも一人一人との繋がりを大事にしたいと思わせてくれました。
出身:新潟県妙高市
趣味:ラーメン屋巡り、断捨離
好きな映画:「そして父になる」
好きな音楽:GLAY