お葬式のかたち(プラン別2) 一般葬、家族葬について
一般葬
一般的にイメージされる「お葬式」の規模がこちらです。
故人の逝去を知らせる「訃報」によって、社会的な告知を行い、葬儀の日程も公表します。
同時に、可能な範囲でゆかりの方々に個別連絡も行います。
宗派によって名称、方式に差はありますが、「通夜」「葬儀、告別式」に当たるものに、遺族、親族、故人の社会的活動での関係者(友人、仕事関係など)の参列を見込んだ、おおやけに開かれた方式です。
社会的認知範囲度としては「本葬」に分類されます。
規模は、お呼びしたい人数により異なります。
通夜に50人から150人くらい、告別式に10人から30人弱くらいの規模が多いでしょう。
場合によっては数百人になることもあり、さまざまです。
夜の開催である「お通夜」昼の開催である「告別式」のふたつで、故人にお別れをしたい方をカバーできます。
近親者、関係者ともに、一連の儀式の中で故人をお見送りすることになります。
一般葬のメリット・デメリット
メリットとしては、ご遺族が故人の社会的な人となりを知ることが出来るということです。
ご家庭での姿とは違う故人のことを、ご友人やゆかりの方々から知ることにより心励まされ、温かく良いお別れになることはおありかと思います。
新たなご縁ができることも、その後のご遺族の助けになるつながりが出来ることもあります。
参列の方にも、同様の意味合いでメリットがあります。
一般葬は、故人のお身内とともに偲ぶことで、故人を失った悲しみを、支えあいながら行える方式でもあるのです。
ですが、それなりに大きな規模になることは多いですし、ご遺族は忙しくゆっくりとは出来ません。
望まれるお別れの方法によって、一般葬以外がよいこともあります。
大きな規模になれば祭壇等の設備費は多くなりますが、沢山の参列者からのお香典が助けになり、規模の割には費用負担が軽くなることも多いので、葬儀社に伺ってみるとよいと思います。
一般葬は、対外的なお別れが葬儀で済みますので、その後別個対応をする必要が減り、ご遺族のご負担が軽減されるというメリットもあります。
交友関係が多かった方、社会的交流が多かった方、にぎやかなのが好きだった方のご葬儀に向いています。
人数の予測は比較的難しいですので、費用をしっかり把握することが重要です。
実費も含みどれだけかかるかと香典収入の概算を把握し、プランを決められることをお勧めします。
家族葬
「一般葬」よりも社会的な告知の範囲を狭めた規模で、葬儀を行うのが「家族葬」です。
ご家族、親族と、ごく親しいご友人などで、親密にお見送りをしたい場合に選ばれる方法です。
お仕事関係などにはお伝えせず、プライベートのつながりの方々での規模で行われることが多いです。
公的な「訃報」は出さず行いますので、分類としては「密葬」に入りますが、「密葬」と「本葬」の間をとった方法といえるかもしれません。
新しく出てきた方式なので、厳密な定義はまだないのが現状です。
様式に関して、手順に関しては、一般葬と大きな違いはありません。
家族葬のメリット・デメリット
メリットとしては、一般葬よりゆっくりと親密なお別れの時間をとることが出来ることです。
遺族は、公的な故人のお仕事の方などに葬儀当日にご対応しなくて済みますので、お気持ちの負担が少なくなります。
一般葬が、場合によってはお香典が助けになるとは言え、大きな費用を割くのが難しい場合も、総額が少なくなる家族葬は検討してみてよい方法です。
ただ、お香典は少なくなりますので、実費がそこで軽減されることは減ってしまいます。
ですが家族葬は人数の予測がしやすく、費用の無駄はかなり抑えられます。
バランスの問題なので、葬儀社に実際を伺ってみると良いでしょう。
家族葬は、ひととおりの儀式は行ってしまいますので、改めての「本葬」は行わないことがほとんどです。
儀式的には、この「家族葬」が、本式の葬儀と言う意味での「本葬」です。
小さなお葬式のフルコースとお考えいただけるとわかりやすいです。
後日の「お別れ会」などが、社会的な意味での「本葬」の役割をすることはあります。
こちらは必須ではなく、必要とされる方が開かれることがあります。
家族葬で注意すべきこと
注意しなければいけないことは、広くお知らせをしていませんので、後で知った方々のご弔問対応は、別個にしなくてはならないということです。
ひとりふたりではございませんので、案外にやってみると時間を割くものです。
やはり丁寧にお迎えしたいと言うのは、人情かと思います。
日常生活に障られることもあるでしょう。
対策としては、後日「お別れ会」の機会を設けたり、法要においでいただくことも考えられます。
書状にて生前のご厚誼を感謝し、しばらく静かに過ごしたいなどあれば、それも書き添えるといいでしょう。
また、参列がかなわなかった関係者の方からの理解が得られがたいことがあります。
「葬儀をしたなら参列したかった…」というお声はありますし、それも故人のご人徳なのだと思います。
先に、公的関係者さまへの対応は考慮して置きましょう。
その上で、「どなたをお呼びして、どなたをお呼びしないか」を検討し、より良いお別れにつなげてゆくのが、よい選択だと思います。
親族さま、ご友人でも、全員はお呼び出来ないこともあるでしょう。
「家族葬で行った」旨を、ご連絡をするとよいと思います。
お仕事関係などの公的つながりの方にも「家族葬であること」を伝え、参列やお香典を辞退する旨もお伝えする必要があります。
ご近所さまにも、参列していただくのかどうかをお伝えするのがいいでしょう。
参列されない場合ですが、弔電を送ることはマナーに反しません。
お通夜、告別式の開始に間に合うようにお送りしましょう。
この記事を書いた人
木南 健(きなみ たけし)
後悔を残さない最期を
数年前に父が急死した際、今の仕事に就いていればどれだけ母や兄妹の支えになれたのだろうと考えることがあります。
過去は変えることはできません。
あの日、抱いた悲しみや不安の根底にあったものは父をしっかり送ってあげたいという想いです。
同じように、大切な人との別れによる「悲しみ」「不安」を抱く方々の支えとなり、その根底にある「大切な想い」を形にするお手伝いができればと思っています。
心に残ったこと
まだ駆け出しの新人だったころ、お葬式が終わった後、喪主様に笑顔で力強く握手をされたことです。
期待にお応えできたんだと言葉以上に感じることができ、とても嬉しかったです。
出身:岡山県岡山市
趣味:弓道、読書
好きな映画:「サトラレ」
好きな音楽:BEGIN