お葬式への心構え~自宅看取り、教えます~
皆さんには、「理想の最期」がありますか?
住み慣れた家で、愛する家族に見守られながら最期を迎えたい。
多くの方が、そのように考えるのではないでしょうか。
しかし、自宅での看取りを実現するためには、いろいろとすべきことがあります。
準備することは、大きく分けて3つ。
それらを知ることで、どんな心構えが必要なのかも見えてくるはずです。
ぜひ、ご参考ください。
準備すること① 終末期の過ごし方を家族で話し合う
終末期とは、末期がんなどの重い病気で、回復が望めない状態・時期に入ることをいいます。
最近では、終末期に入ると無理な延命治療せず、クオリティ・オブ・ライフを大切にされる方が増えています。
※クオリティ・オブ・ライフ(英: quality of life、QOL):一般に、ひとりひとりの人生の内容の質や社会的にみた生活の質のこと。
私は、このクオリティ・オブ・ライフを尊重した延長線上に自宅看取りがあると考えています。
このことを、終末期の方含めて家族全員が認識することが重要になってきます。
家族の認識がないと、体調が急変したときに(本人のことを思ってのことなので当然のことですが)救急車が呼ばれそのまま病院で亡くなる、ということが十分にあり得ます。
こうした事態を避けるためにも、エンディングノートに、「最期はどんな場所で看取ってもらいたいのか」をしっかりと意思表示してもらいましょう。
※エンディングノート:高齢者が人生の終末期に迎える死に備えて自身の希望を書き留めておくノート。
準備すること② 看取りに詳しいケアマネージャーを探す
自宅で看取りをするには、多くの方の協力が必要になってきます。
例えば、お医者様や訪問看護師、訪問介護員、家政婦などですが、中でも重要な人物が「ケアマネージャー」です。
ケアマネージャーは、その人に合ったケアプラン(簡単にいうと介護サービスを受けるスケジュール表)を作成する人です。
ここで注意すべきなのは、一言でケアマネージャーと言っても、人によって得意分野が違うということです。
看取りには、医療関係者との連携が必要になってきます。
そうした連携をスムーズにとってもらうためにも、在宅での看取り経験のあるケアマネージャーを探しましょう。
準備すること③ 心構え
愛する家族が、死に近づいていく。
その姿を目の当たりにしたとき、ご家族の心はきっと様々な感情であふれかえるでしょう。
また、人によって息を引き取るまでの様子が違います。
ゆっくりと眠るように亡くなる人や、容体が急変して亡くなる人、様々です。
決して冷静ではいられない場面で、それでも最期まで見守り、見届けるということ。
その点においては、確固たる心構えが必要といえるでしょう。
看取り、その後
自宅での看取りを終えても、それですべて終わりではありません。
悲しみに浸る暇もなく、すぐに次の「考えなければいけないこと」がやってきます。
お葬式をどうするか、ということです。
今は、知り合いに葬儀に詳しい人がいなくても、インターネットなどで調べれば何社も葬儀社が出てきますし、呼べばすぐ担当者が自宅まで来てくれます。
ただ、そうして来てくれた葬儀社がいい葬儀社なのかどうかは、運次第です。
家族との最後の時間を大切に過ごすためにも、看取りの段取りと並行して信頼できる葬儀社を探されるのがよいでしょう。
まとめ
自宅での看取りは、多くの専門家との協力の上に初めて成り立つものです。
ですので、専門家に任せきりになってしまったり、専門家の意見や提案をなんでもすべて鵜呑みにするという姿勢はよくないかもしれません。
自分たちがどういう想いで自宅看取りを選んだのかをしっかり伝え、一緒に協力していくことが重要になってくるでしょう。
終末期の介護は心身ともに負担が大きいものですが、皆様が心から納得のいく看取りをできることを願っております。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
この記事を書いた人
木南 健(きなみ たけし)
後悔を残さない最期を
数年前に父が急死した際、今の仕事に就いていればどれだけ母や兄妹の支えになれたのだろうと考えることがあります。
過去は変えることはできません。
あの日、抱いた悲しみや不安の根底にあったものは父をしっかり送ってあげたいという想いです。
同じように、大切な人との別れによる「悲しみ」「不安」を抱く方々の支えとなり、その根底にある「大切な想い」を形にするお手伝いができればと思っています。
心に残ったこと
まだ駆け出しの新人だったころ、お葬式が終わった後、喪主様に笑顔で力強く握手をされたことです。
期待にお応えできたんだと言葉以上に感じることができ、とても嬉しかったです。
出身:岡山県岡山市
趣味:弓道、読書
好きな映画:「サトラレ」
好きな音楽:BEGIN