お葬式にお坊さんを呼ぶ方法まとめ!呼ばなきゃいけないの?
「お付き合いのあるお坊さんは居ないけど、お葬式に来て欲しい」
「宗教については特に信仰深いわけじゃないけど、親戚の目もあるし来てもらった方がいいんだろうか」
「菩提寺と以前トラブルになって、出来れば呼ばないでお葬式をしたいと思っているんだけど…」
都内にお住いの方の6割~7割は、地方から越してきた方と言われています。
長く地元を離れていたため、実家のお墓を管理している菩提寺とのお付き合いが希薄になっているケースが多いです。
こうした現状を踏まえ、現代のお坊さんとのお付き合いの形をご紹介いたします。
お付き合いのあるお坊さんは居ないけど、お葬式に来てもらいたい
お葬式にお坊さんを呼ぶ方法はいくつかあります。
中でも家族負担の少ない2つのパターンをご紹介しましょう。
まず一つ目のパターンは、インターネットサイトの僧侶派遣サービスを使い手配する方法です。
僧侶派遣サービスを行っているサイト例
・お坊さん便
・お坊さんjp
・てらくる
等々
特徴として、お布施の金額が明確であることや、呼びたい宗派のお坊さんを呼べること、日程調整がしやすいこと、またお葬式後に檀家(その寺に属し、お金などを寄進する家)にならなくていいといったメリットがあります。
しかし、注意したい点もあります。
僧侶派遣サービスは、お葬式の日に予定の開いているお坊さんに来てもらうサービスです。
つまり、どんなお坊さんが来るかは当日まで分かりません。
お寺に従事していない「マンション僧侶」と呼ばれるお坊さんがくることもあります。
各宗派ごとに定めている「僧籍簿」に載っていないお坊さんが来る可能性もある為、お坊さんの質にバラつきがあるのが現状です。
※「僧籍簿」とは住職資格要件を正式に満たした方が載っているもので、僧侶である証明書のようなものです。
また、法要の際に再度依頼をしたとき、お葬式の時と同じお坊さんが来てくれるとは限らない、というのもデメリットの一つと言えるでしょう。
さて、お坊さんを呼ぶ2つ目のパターンですが、葬儀社に依頼するという方法もあります。
僧侶派遣サービスを使う際のメリットにプラスして、質の良いお坊さんを呼べる可能性が高くなります。
アフターサービスを行っている葬儀社では、四十九日法要や一周忌・三回忌の際に、お葬式と同じお坊さんを手配してくれるところもあります。
やっぱりお葬式にはお坊さんを呼んだ方がいいの?
お坊さんにお経を読んでもらうことが故人様の供養になる、というのは仏教の考え方です。
故人様の供養をしてあげたいと思うけれど、仏教に拘りがあるわけではない、という方には、お坊さんを呼ばない「無宗教葬」という選択肢もあります。
「無宗教葬」では、例えば故人様の思い出話をしたり、好きだった音楽を流したり、献花と言ってお焼香の代わりにお花を手向けたりします。
これをしなければならない、といった決まりや風習はありません。
無宗教だからと言って、宗教的な儀式が禁止されているわけでもありません。
無宗教葬でお線香やお焼香をあげたり、自宅に入る前にお塩を撒いたりするケースも多くあります。
故人様らしいお見送りのあり方を重視したり、逆に家族親戚や親しい友人のみでゆっくり最後の時間を過ごしたり、思い思いのお別れの形でお葬式を行うケースも増えてきています。
ご注意いただきたいのは、ご親戚の中に「絶対にお坊さんにお経を読んで貰わなければいけない」という考えの方がいる場合です。
より良いお見送りの為に、事前にお話されておくことをお勧めします。
菩提寺と以前トラブルになって、出来れば呼ばないでお葬式をしたい
お葬式のお布施金額についてトラブルがあったり、お坊さんの代替わりがあって前住職との対応がまるで変った、実家を離れていて菩提寺との付き合いも特になくなってきた等、様々なケースがあります。
葬儀社にお願いすれば同じ宗派のお坊さんをお呼びすることは可能ですが、ご注意いただきたい点があります。
それは、お葬式の後にお骨を納める「お墓」をどこが管理しているのか、という点です。
納骨予定のお墓を菩提寺が管理している場合は注意が必要です。
一般的にお坊さんは、「菩提寺で管理しているお墓に入るには、そのお寺の住職により供養を受けないと、または読経や戒名をもらわないといけない」という考えをお持ちです。
あらかじめ菩提寺へお伝えをしておかないと、お葬式を終えて納骨をお願いした際に受け入れられず、場合によってはお葬式のやり直しが必要になってくることもあります。
また、ご家族様のスケジュール(お葬式をおこないたい日程)と菩提寺のスケジュールがどうしても合わない、ということもあるかと思います。
この場合には、同じ宗派のお坊さんに依頼してお葬式をおこなっても大丈夫か、菩提寺へご相談いただくのがよろしいかと思います。
まとめ
江戸時代、幕府の政策により、必ずお寺の檀家にならなければいけないという「檀家制度」が敷かれました。
そのため、普段からお坊さんの説法を聞いたり、お葬式になればお坊さんにお経をあげてもらうという事が当たり前でした。
「檀家制度」が廃止され、社会の経済成長と共に移住する人も増え、今では付き合いのあるお坊さんとの関係が段々薄れてきている傾向にあります。
お坊さんとのお付き合いが薄くなってきていることに伴って、お葬式に対する価値観の変化と、自由な形のお見送りが生まれてきています。
この記事を書いた人
坪木 陽平(つぼき ようへい)
家族以外で一番近い存在に
数年前、祖父が亡くなった時両親と葬儀の準備を進めました。
初めて会う方には勿論、ご住職やご会葬者、葬儀社の方にも気遣いばかりで、気が付いたら葬儀は終わっていました。
振り返れば祖父を想いながらしっかり見送ってあげられなかったことが心残りです。
自分の経験からご家族の想いを大切にしたお見送りをしていただきたいと思っています。
私にはいつでも何でもどんなに些細なことでも、遠慮しないでおっしゃっていただける関係づくりを目指しています。
心に残ったこと
お葬式を終えてから半年経ったお客様から電話が来て「元気してるのー?寒くなったから風邪ひかないようにねー」と息子に電話するかのように気軽に連絡いただけたことです。
これからも一人一人との繋がりを大事にしたいと思わせてくれました。
出身:新潟県妙高市
趣味:ラーメン屋巡り、断捨離
好きな映画:「そして父になる」
好きな音楽:GLAY