都内のお葬式の流れ ~喪主になったら~【通夜1】
このシリーズは現在の一般的なお葬式の流れの例を元に、喪主目線でおこなわなければいけない事と注意点についてご説明していきます。
目次
※時間軸は例です。実際の状況により前後します。
【都内のお葬式の流れ】喪主のふるまい
16:30 ①納棺・旅支度・メイク
16:50 ②札名並び順、札名の誤字確認
16:55 ③親族の席順確認
17:00 ④お手伝いをして頂く方へ
【都内のお葬式の流れ】喪主のふるまい
受付開始 ⑤会葬者への対応
17:35 ⑥宗教者へ挨拶
17:45 ⑦開式前の親族、一般会葬者式場へ着席
18:00導師入場と共に開式
【都内のお葬式の流れ】喪主のふるまい
18:10 ⑧喪主の焼香
一般焼香開始 ⑨会葬者へ立礼
19:00 ⑩通夜振る舞いの席
20:00~30頃 ⑪散会
この記事では①~④についてご説明いたします。
この他にも会葬礼品のご確認や、弔電のご確認などもありますが、基本的に葬儀社が案内してくれるので省略します。
初めてお葬式を主催する側の方(喪主、施主、ご遺族)に、少しでも参考になればと思います。
①納棺・旅支度・メイクについて
※一連の儀式は一般的に、近しい方が出来るだけ集まりやすいタイミングに合せておこないますので、必ずしもお通夜の当日に行うわけではありません。
お通夜の当日は、ご家族様やご親戚様が一番お集まりしやすい為、旅支度などをお通夜の開式前に行うご家族様も増えています。
納棺は皆様のお手沿いで、故人様をお棺にお納めいただく儀式です。
逝去からお葬式当日までの期間、故人様が布団で寝ている間は本当にただ眠っているような印象で、心の奥から気持ちの整理が付きずらい感覚です。
お棺にご納棺していただく事で、「死」という事を認識する意味合いもあります。
旅支度は例えば「手甲(てこう)」と言われる手にお着せする物や「脚絆(きゃはん)」と言われる脛にお着せする物を近しい方のお手添えでお着せして差し上げる儀式です。
旅支度も納棺と同様に、非日常のお姿になる事とご遺族様のお手沿いで支度をしていただく事で、「死」という事の認識や「お別れの気持ちの整理」の意味があります。
メイクには基本的に納棺師の方がお口閉じの処置やお化粧、ドライシャンプーやヘアセット等おこないます。
お化粧やシャンプーはご家族様のご希望でお手沿いいただく事も可能です。
納棺、旅支度、メイクはご状況や葬儀社のご案内などによって順番やタイミングは変わります。
②札名並び順、札名の誤字確認について
ご親戚様や一般の方から祭壇脇に飾る「供花」をいただいた場合、一般的に血縁の濃い順に名前の札を並べていきます。
事前に数十基の供花をいただいている場合、お通夜の前日位からある程度順番を決めておくと、当日実際の札に掛かれている誤字の確認のみになりスムーズです。
③親族の席順確認について
親族の席順は(来賓の方がいらっしゃる場合も)式場のレイアウトを確認したときに、誰が何処へ座って貰うのか事前に決めていただくことが意外と重要です。
よくある失敗として、開式前に誰がどこに座るかの譲り合いで、なかなか席が決まらず開式時間が遅れてしまう事です。
開式が遅れてしまうことは、宗教者の方や一般の方をお待たせすることになり、なにより故人様へ失礼に当たってしまうのではないでしょうか。
着席順は一般的に喪主様から順に故人様に近しい順(焼香をする順)に着席しますが、ご親戚様の間で特に気にされない場合は自由に前から詰めて座って頂ければ大丈夫です。
座って頂くポイントとしては、親戚間で焼香をする順番や小さなお子様連れの方が座る場所などを加味していただけるといいです。
ご親戚様に年長者の方がいらっしゃる場合、席順を割り振っていただくお願いをするのもよろしいかと思います。
④お手伝いをして頂く方へのご対応
お葬式をお手伝いしていただく役割は沢山ありますが、一番多いケースは「受付」「会計」のお手伝いをしていただくケースです。
お葬式の打ち合わせの段階で葬儀社から、「○名様お手伝いの方をお呼びできますか?」といった必要人数はお伝えいただけます。
また、受付や会計の方法などは葬儀社の方からやり方の説明をして頂けますので、喪主様自らご説明をして頂く心配はいりません。
お手伝いの方には、開式1時間前から閉式辺りまでご対応いただき、最後通夜振る舞いを召し上がってお帰りいただく流れになります。
お手伝いの方が来られた際に、御挨拶と一緒に「お心付け」をお渡しする風習があります。
お心付けはお世話になった方へのお礼として、三千円~五千円程「志」と書いたポチ袋へ入れてお渡しする風習です。
※葬儀委員会と言われる町内会や、会社関係の方で構成される委員会がお手伝いしていただける場合は、お心付けの金額に関する決まった習慣があったりしますので、よく知っている方へご確認いただいた方がいいです。
お心付けをお渡しするタイミングについて、お葬式が終わった後でも大丈夫ですが、開式前の方がお式場にいらっしゃる方の人数が少ない為、落ち着いてお渡ししやすいです。
まとめ
自分がお葬式の主催側の立場になるのは、殆どの方が初めてです。
悲しさや緊張もあり、周りの方へ気配りが疎かになったり、段取りを忘れてしまったりすることがあるかもしれません。
ご家族様は対面上平常心を保とうと思っても、心の奥は平常心ではないのが普通ですから。
そういったところのフォローが葬儀社の役目だと思っております。
この記事を読んで頂いた方が、細かな気配りのある葬儀社に出会えることを願っています。
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この記事を書いた人
坪木 陽平(つぼき ようへい)
家族以外で一番近い存在に
数年前、祖父が亡くなった時両親と葬儀の準備を進めました。
初めて会う方には勿論、ご住職やご会葬者、葬儀社の方にも気遣いばかりで、気が付いたら葬儀は終わっていました。
振り返れば祖父を想いながらしっかり見送ってあげられなかったことが心残りです。
自分の経験からご家族の想いを大切にしたお見送りをしていただきたいと思っています。
私にはいつでも何でもどんなに些細なことでも、遠慮しないでおっしゃっていただける関係づくりを目指しています。
心に残ったこと
お葬式を終えてから半年経ったお客様から電話が来て「元気してるのー?寒くなったから風邪ひかないようにねー」と息子に電話するかのように気軽に連絡いただけたことです。
これからも一人一人との繋がりを大事にしたいと思わせてくれました。
出身:新潟県妙高市
趣味:ラーメン屋巡り、断捨離
好きな映画:「そして父になる」
好きな音楽:GLAY