【東京葬儀】「ちょうどいい家族葬」専門店

葬儀プランナーが語る【家族葬を希望していた私が、「一日葬」を選んだワケ】

「入院中の父が危篤状態で、葬儀社を探しているのですが・・・」

笹沼さんからの最初の問合せは、深夜午前1時の電話でした。

連絡をくれた娘の洋子さんは、お葬式について考えたこともなかったようで、何をしていいのかもわからない状況だったのだと思います。

『どんなお葬式にしたいですか?』という質問に対しても、「身内だけの一般的な形で見送れればいいです」という返答。

何をすればいいのか、何を聞けばいいのかわからなかったのでしょう。

こちらからの質問に対しての答えは、一貫して「普通でいいです」とのことでした。

家族に対する想いを言葉に表すのは、とても難しいことだと感じます。

何度目かの受け答えの中で、お父さんについての思い出話を伺ったところ、

「釣りが好きで毎週のように出かけてました。」

「釣り仲間と一緒に出掛けることが、なによりの楽しみだったみたいです」

と少しあきれたような表情で話してくれた笹沼さんをみて、私はあることを提案しました。

『家族だけでなく、釣り仲間の人たちも呼んであげませんか?』

笹沼さんとの対面相談

お葬式の流れや、内容について一通りの説明をした後、より詳しい話をするため対面での相談を受ける事になりました。

笹沼さんのご自宅へ訪問し、家族の皆さんが同席され具体的なお葬式内容の打ち合わせが進む中、あることに気が付きます。

『この写真は、お父さんの友人の方ですか?』

ご自宅のリビングにたくさんの釣り道具や魚拓が並ぶ中で、いくつかの集合写真が飾られていることに気が付き聞いてみると、

「主人が釣り仲間と一緒に撮った写真みたいですが、その人たちと会ったことはないんです」と笹沼さん。

釣り仲間の人たちも呼んであげることを提案しましたが、自分たちの知らない人を呼ぶことに抵抗があったのだと思います。

やはり「家族だけの方が気を遣わずに済むから」と、家族だけのお葬式を希望していました。

私が気になったのは、『家族だけでお葬式を行うことが理想の形かどうか』です。

もちろん、家族の意見は尊重されるべきことですが、家族にも想いがあるように、その人に関わる方ひとりひとりに想いがあります。

その想いを叶えられる方法として、『一日葬でのお葬式』を笹沼さんに提案しました。

内容は、通夜にあたる1日目を家族と友人のための『お別れ会』として自由に過ごしてもらうこと。

堅苦しい挨拶などは抜きにして、思い出話に花を咲かせる場所として式を行います。

家族の知らなかったお父さんの人柄を聞く事が出来る場は、決して多くありません。

ゆっくりとお別れする場を確保しながら、近しい人たちとの関わりも大切にする事が出来ます。

告別式にあたる2日目には、お父さんに安心して旅立ってもらうためにお坊さんを呼び、儀礼に則ったお葬式を執り行うことです。

地域の風習や、お寺との付き合いもないがしろにはできないため、告別式は従来の形式で行います。

しきたりも、人の想いも大切にした新しい形での『一日葬』として、オススメしている方法です。

この提案を聞いた笹沼さんは、「そんなお葬式は聞いたことがない」と言っていましたが、お話を進めていくと、

「友人の立場で考えたら、お葬式には呼んでもらいたいかもしれませんね」

「私も友人が亡くなったとしたら、お式には行きたいと思いますから・・・」と一日葬でのお見送りを考えてくれました。

ご逝去からお葬式まで

対面相談の数日後、笹沼さんから電話がありました。

「父の容体が急変して、先ほど息を引き取りました」

「これからのことをお願いします」

お父さんをご自宅にお連れして、普段寝室として使っていた和室にご安置。

お式までの間、慣れ親しんだご自宅でお休みできる準備をさせていただいた後、打合せが進みます。

式の内容は事前相談をしていたためスムーズに決まり、それからの時間はお父様との思い出を話してくれました。

家族で地域のお祭りに行ったことや、釣り竿を家族に内緒で購入しケンカになったことなど、お話は尽きません。

お話の中で、思い出の品がたくさんあったこともあり、『想い出コーナー』を設置することも決まりいよいよお式の当日。

1日目には、ご家族とお父さんの釣り仲間が集まり、式場に飾った釣り竿や魚拓などを見てたくさんの方に見てくれました。

親族、友人の方からも「あの人らしいお葬式だった」とお褒めの言葉をいただきました。

故人との思い出話が尽きることはなく、1日目のお別れ会は時間の都合上21時に散会。

笹沼さんからも「自分たちの知らない父の1面を聞くことができた」と嬉しそうに話してくれました。

2日目には、お付き合いのあるお坊さんを招いての厳粛なお葬式。

心を落ち着かせながら、最後のお別れの時間を待ちます。

告別式も滞りなく済み、お棺をお花いっぱいで彩った後、火葬の運びとなります。

式が終わった後も、ご家族のお話が尽きることはなくご自宅へと戻られました。

その時に笹沼さんから言われたことが、心から嬉しく思ったことを覚えています。

「担当してくれたのが齋藤さんじゃなかったら、こんなに温かい気持ちで見送ることはできませんでした」

「私たちにとって、父との新しい思い出が出来ました」

お葬式は、人とのつながりを大切にする場でもあります。

『どんなお葬式にしたいのか』を具体的に考えることが、納得できるお葬式への近道です。

笹沼さんのお葬式でわかるポイントまとめ

【一般の方を呼ぶ?呼ばない?】

一般的なお葬式は、地域の風習や家庭環境などで大きく変わります。

「父の交友関係も詳しくわからないから、家族だけの小規模なお葬式したい」

ではなく、家族や友人関係の状況を整理して考えましょう。

特に仲の良かった友人などに心当たりがある場合は、どこまで声をかけるのかを決めておくといいかもしれません。

【一日葬の使い方】

一日葬は、通夜の日を省略して告別式のみを執り行うことが一般的です。

今回のようなケースは多くありませんが、お葬式事情は年々変化しています。

風習やしきたりを大事にしながらも、故人らしいお葬式を考えたい方にはオススメですね。

納得のいくお葬式を行うために、葬儀社に相談することも大切です。

終わりに

いかがだったでしょうか。

私個人の意見も多数含まれますが、お葬式に悩まれる方の参考になれば幸いに思います。

「特別なことはしなくていい」

「普通のお葬式でいい」

世間一般の「普通」が、どの家族に当てはまるわけではありません。

お葬式について考える際は、家族で話し合うことと葬儀社に相談することを意識して、理想のお葬式を考えてみましょう。

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この記事を書いた人

齋藤 親(さいとう しん)

お葬式は家族を知る場面

数年前、祖母が亡くなった時、普段仕事ばかりしている母が、祖母に対し心から感謝の言葉を伝えていたこと。

今まで涙を見せることのなかった兄が人目を気にせず泣いていたこと。
家族の中でも様々な想いがあることを知りました。

そのときの気持ちを忘れずに、ご家族一人一人を、笑顔にできるよう心がけております。

心に残ったこと

お父様のお葬式を終えたご家族が「たくさんの人からお父さんの話を聞けて、色んなお父さんを知ることができました。

家族葬か一般葬で悩んでいましたが、私たちの話を聞いて、一般葬をオススメしてくれた齋藤さんのおかげです」と言っていただけたことが心に残っています。

出身:茨城県つくば市

趣味:釣り、ボルダリング

好きな映画:「天空の城ラピュタ」

好きな音楽:山崎まさよし