お葬式の目的はなんですか?【目的からわかる「一日葬」という選択肢】
「お葬式について教えて欲しいのですが・・・」
冨田さんからの初めての問合せは、少し不安そうな声から始まりました。
お話を聞いていると、冨田さんの旦那様が体調を崩して入院中であること。
お葬式についての知識もなく、何から準備をすればいいのかわからないという内容でした。
インターネットでも調べていたが、どの会社も書いていることや金額がバラバラで何が正しいのかわからないとのこと。
ここで、この記事を読んでいる方にも考えていただきたいことがあります。
『お葬式をする目的はなんですか?』
お葬式の目的を考える
もちろん、お客様にこの言葉を直接投げかけるわけではありません。
ただ、お葬式を考える際に必ず皆さんにも考えて欲しい内容です。
よく耳にする例として、
・お葬式をしないと故人に対して申し訳ない
・親戚や周囲の目もあるからやらないといけない
・人が亡くなったらお葬式はするもの
など様々あると思います。
お葬式の目的、なにをしてあげたいのかを考えることが大切になります。
後日、冨田さんのご自宅にお伺いして対面相談を行っていた時のことです。
『お葬式をする目的はなんですか?』という私の質問に対して、
冨田さんの返答は、「あの人が喜ぶことをしてあげたい」でした。
この一言でも、どんな家族だったのか想像できるような優しい言葉だと感じます。
冨田さんの家族は、親戚の方も含めると40名以上になるたくさんの親族がいる家庭でした。
毎年のお正月には親族が必ず集まり、みんなでおせちを食べることが恒例の行事だったそうです。
ご主人との思い出話を聞かせてくれた冨田さんが、嬉しそうに語ってくれたことを覚えています。
「私が初めて作ったおせちを、あの人がおいしそうに食べてくれたことがあったわ」
冨田さんのご主人は、入院中で好きだったお酒も食べ物も食べられない状態にありました。
「あの人にまたおせちを食べて欲しい」という声から、お棺に入れてあげることを提案。
お酒が好きだったご主人のために、献酒も併せて行う流れを検討します。
「でもお坊さんもちゃんと呼んで、お経をあげてもらったほうがいいのかしら…?」
富田さんはご主人の想い出を語れるようなお葬式を希望しつつも、しきたりや慣習も気にかけていました。
そこで提案したのが「しきたりや慣習も大事にしつつ、オリジナルな要素も入れられる一日葬」です。
お坊さんに読経もしてもらう時間も設けますが、ご主人との想い出であるクラシックを生演奏する音楽葬の要素も取り入れることになりました。
無宗教の葬儀は、時間の許す限り自由な形式で執り行う事が出来ます。
家族全員が納得できるより良いお見送りができる方法を考えましょう。
人がつながるお葬式
ご相談の約半年後、冨田さんの旦那さんが亡くなったという連絡を受けたのは、年が明けて間もなくのことでした。
その後、以前より相談していた内容で旦那様の一日葬を終えた冨田さん。
お葬式が終わった後、心温まるお言葉をいただけました。
「主人のために大勢の方が涙する姿を見て、本当に嬉しかった」
「主人が喜びそうなことは、全部してあげられたかも・・・寂しいけれどしっかりとお別れができました」
お葬式は故人を中心に、人が集まる場所です。
故人とゆかりのある方々が、故人を偲ぶ場を「形式的な空間」にしてしまうことは本意ではありません。
『想い出コーナー』を式場にお飾りすることで、故人とゆかりのある品々を眺めながら想い出話に花が咲きます。
今回の冨田さんのように、親族が多く交友も深い方が集まる場ではたくさんのつながりがあります。
お葬式をきっかけに、親族同士の絆を強めることで、お互いが支えあえる関係が作れれば故人も安心して旅立てるのではないでしょうか。
冨田さんのお葬式でわかるポイントのまとめ
【お葬式の知識がない】
お葬式に詳しい人はほとんどいません。
また、葬儀社の料金体系や特色は会社によってまちまちです。
自分たちが希望するお葬式には何が必要なのかをしっかりと把握売ることが大切です。
何社かの葬儀社に問合せ、見比べることをおすすめしています。
【お葬式をする目的】
文中にも書いた通り、お葬式をする目的はそれぞれにあります。
「自分が納得できる見送り方を考える」
「故人のためにできる限りのことをしたい」
「家族だけで、ゆっくりとお別れがしたい」
「たくさんの人を呼んで盛大に見送ってあげたい」
自分はどんなことをしてあげたいのか、どんな事が出来るのかを考えてみましょう。
専門的な知識が欲しい場合は、葬儀社に連絡をしてみてください。
親身になって一緒に悩んでくれる。
そんな信頼できる葬儀社に合うことが、理想のお葬式を実現する近道にもなります。
この記事を読んだ方の、参考になれば幸いです。
ここまでお付き合いいただき、ありがとうございます。
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この記事を書いた人
齋藤 親(さいとう しん)
お葬式は家族を知る場面
数年前、祖母が亡くなった時、普段仕事ばかりしている母が、祖母に対し心から感謝の言葉を伝えていたこと。
今まで涙を見せることのなかった兄が人目を気にせず泣いていたこと。
家族の中でも様々な想いがあることを知りました。
そのときの気持ちを忘れずに、ご家族一人一人を、笑顔にできるよう心がけております。
心に残ったこと
お父様のお葬式を終えたご家族が「たくさんの人からお父さんの話を聞けて、色んなお父さんを知ることができました。
家族葬か一般葬で悩んでいましたが、私たちの話を聞いて、一般葬をオススメしてくれた齋藤さんのおかげです」と言っていただけたことが心に残っています。
出身:茨城県つくば市
趣味:釣り、ボルダリング
好きな映画:「天空の城ラピュタ」
好きな音楽:山崎まさよし