【東京葬儀】女性に選ばれる家族葬

葬儀屋さんをやってて思ったこと2

前回は、宮崎様のケースを元に、事前相談のメリット中心に書いてみました。

お葬式を考えることは、生きている人に対して失礼だ!と言われる方はいます。

もちろん、その方のおっしゃることも理解できます。

ただ、前に書いたとおり、お葬式のことを考えないことは、いざという時に不安がつきまとうことは事実。

思考停止は、何事においてもいい結果を生み出しません。

さて、今回は事前のご相談をされた宮崎様(仮名)からの依頼がきたところから始めたいと思います。

実際に関わりをもった葬儀社の担当者は、こんな思いを持ちながら日々ご遺族と向かっていることが少しでも伝わると嬉しいです。

宮崎様からのご依頼


事前のご相談から3ヵ月ほど経ったころ、深夜2時に宮崎様から着信がありました。

「今、母が息をひきとりました、お迎えにきていただけますか。」

余命1ヵ月と言われていた宮崎様のお母様は、薬との相性がよかったらしく大きな副作用も出ず、穏やかな余生を過ごしていたそうです。

久しぶりにお会いしたお母様は、穏やかな表情で眠っているようでした。

これからお連れする場所は、既に決まっていました。

ご自宅です。

以前、相談を受けた時は、自宅ではなく専用の施設に連れて行ってもらいたいと言われていました。

その時に、分かりましたと承諾するのは簡単なことですが、私は、その理由を伺いました。

宮崎様は、本当は連れて帰りたいが、マンション住まいということもあり、お葬式が行えるまでの期間が長いと身体の変化があるのではないかと気にされていました。

それを聞いて、私は、部屋の冷房とドライアイスで十分お身体をお守りすることは可能であること、マンションでもお連れすることは可能であることを説明しました。

なにより、本当は連れて帰りたいという想いを聞けていたので自宅にご安置していただくことをおすすめしました。

これらの提案が自然にできた理由は、事前のご相談で自宅のご様子や電話ではなかなか出てこない要望や不安点をお聞きすることができたからです。

ご遺族にとって一見突拍子もない要望も、実は実現可能なこともありますので「こういったことしてあげたいですが、できますか?」とどんどん聞いてください。

それから宮崎様は病院からご自宅へ戻り、今後の打合せが始まりました。

打ち合わせ

打ち合わせでは、どこで、どのくらいの規模で、どんな内容のお葬式を行うのかを決めていきます。

日程にもよりますが、少なくても大体20項目は決めていきます。

宮崎様に関しては、事前に検討してもらっていたので30分くらいの打合せですべて決まりました。

その後は、さらにどんなことしてお見送りがしたいかのかをお話させていただきました。

8割は、世間話だったと思います。

結局、2時間ぐらい滞在してしまい、宮崎様にはお疲れのところ申し訳なかったです。

それから式場が借りられるまでの数日間は、ドライアイスの交換の度に小さな変更や要望を聞いて時間が流れました。

式前日

今回は、一日葬ということで通夜は行いません。

ですが、式場は2日間ずつでしかお借りできないので、前日に設営をしてしまいます。

17:00頃、宮崎様が到着しました。

式場の雰囲気や明日、皆さんに座ってもらう席順をゆっくりと確認してもらうためです。

華やかな花の祭壇が、中央奥に置かれ、式場を温かい雰囲気にしていました。

通夜がない分、ゆっくりと明日の打合せができました。

次の日の告別式に関しても、大きなトラブルもなく、滞りなく終えることができました。

まとめ

色とりどりの花で作られた祭壇をみて、宮崎様が言われた言葉が忘れられません。

「こんなに立派で綺麗だとは思わなかった。通夜も行ってみんな(親族)にもゆっくり見てもらえばよかった」

この言葉に、私は衝撃を受けました。

何度も一日葬を担当させていただき、一日葬のメリットデメリットは十分把握しているつもりでした。

一日葬のメリットひとつとして、2日間行われるお葬式に参加される方々の顔ぶれが同じであれば、通夜を無くすことで参加者の移動の負担が軽減できると考えていました。

しかし、一日葬には故人とお会いする大切な時間を削ってしまっているデメリットが生じていることに気づかされました。

宮崎様が、どれくらいの気持ちでその言葉を言ったのかは分かりません。

しかし、少なからず宮崎様の隠れた要望に応えられていなかった自分が悔しかったです。

お葬式は、なかなか体験することのない式典です。

だからこそ、担当者としてお葬式のメリットデメリットを、ご遺族に分かりやすく伝えることが大切だと思っています。

今回の宮崎様の言葉は、これからもっと隠れた要望に応えられる担当になろうと思わせてもらえた出来事でした。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事を書いた人

木南 健(きなみ たけし)

後悔を残さない最期を

数年前に父が急死した際、今の仕事に就いていればどれだけ母や兄妹の支えになれたのだろうと考えることがあります。
過去は変えることはできません。

あの日、抱いた悲しみや不安の根底にあったものは父をしっかり送ってあげたいという想いです。

同じように、大切な人との別れによる「悲しみ」「不安」を抱く方々の支えとなり、その根底にある「大切な想い」を形にするお手伝いができればと思っています。

心に残ったこと

まだ駆け出しの新人だったころ、お葬式が終わった後、喪主様に笑顔で力強く握手をされたことです。

期待にお応えできたんだと言葉以上に感じることができ、とても嬉しかったです。

出身:岡山県岡山市

趣味:弓道、読書

好きな映画:「サトラレ」

好きな音楽:BEGIN