互助会とは?
互助会は、一定期間積立金を支払うことで、葬儀の際にその積立金を利用できるという仕組みです。
実に葬儀を開く人の約4割が利用していると言われています。
では、互助会に入会しておけば葬儀の費用は安心、と考えてよいのでしょうか?
葬儀保険や銀行口座での積み立てとはどのように違うのでしょうか?
ここでは、互助会について詳しく見ていきます。
互助会とは
互助会とは、「冠婚葬祭互助会」の略称です。
会員は毎月一定額の積立金を納入することで、満期になると会員価格で葬儀場や祭壇を利用する権利を受けられる、というシステムです。
会員特典も多く、葬儀場や祭壇の費用割引や、葬儀以外の場面でも利用できることもあります。
比較的安価な金額を一定期間積み立てることで、万が一に備えることができます。
月々数千円を60~120回払いで、20~50万円ほどになるコースが一般的です。
そもそも互助会とは、戦後の所得水準が低い時代に誕生したシステムです。
冠婚葬祭という一時的に大きな出費が必要となる行事に備えて、共同で費用を出し合って利用しようという「相互扶助」、つまり助け合いの精神のもとに始まりました。
「ある程度の規模のお葬式をあげたいけれど費用はできるだけ抑えたい」と考える方や、「生きているうちから積み立てて、万が一のことがあっても家族に負担をかけたくない」と考える方が多く利用しています。
互助会の積立金
葬儀の三大費用は、葬儀の基本料金(式場使用料、棺、祭壇、装飾品一式、式場設営、火葬費用、霊柩車費用など)、寺院などへのお礼(戒名料、お経料などのお布施)、会葬者への飲食費・接待費(通夜ぶるまい、精進落としの飲食費、返礼品、遠方からの会葬者の旅費など)です。
この中で積立金が使えるのは、葬儀の基本料金の部分にあたります。
つまり、互助会での積立金で賄えるのは、葬儀に関わる全てではなく一部、と考えた方が正しいのです。
というのも、平均的な積み立てプランでは、満期の総積立額が24~36万円と言われており、会員の割引価格が適応されたとしても、全ての葬儀費用(全国平均200万円程度)を賄える金額であるとは考えにくいためです。
更に、積立金を利用できるのは「50万円以上の葬儀プランから」、などの規定がある場合も多く、結果的に積立金以上の支払いが必要になる場合も多々あります。
互助会は「会員から積立金を集めて事業運営をしている(=積み立てのできる)葬儀社」として考えてみると良いかもしれません。
どのようなプランが適応され、葬儀に際してカバーされない費用が何なのか見定めた上で入会をすることが必要です。
というのも、互助会に積み立てるということは「預貯金ではない」というだからです。
積み立てによって互助会の葬儀場や祭壇を「借りる権利を持つ」ということ、もしくは「葬儀費用の一部を先払いしている」という考え方の方が、互助会の積立金の本質に近いと言えるためです。
加入者にとっては、「互助会の運営する葬儀場や祭壇を、会員価格で借りられる」といった安心のために生前の積み立てを行います。
ですが、互助会の葬儀業者にとっては、前払い金と共に葬儀場を利用してくれる顧客の囲い込みを行っている、とも言えます。
更に、葬儀場や祭壇を「借りる権利」と表現したように、他の方も利用するものを借りられるということは、追加費用が必要になる場合も十分ありうるのです。
近年人気の花祭壇にした場合でも、そのお花はリース品と考えられるため、「花を切って棺に入れる」ということすら有料オプションになることがあります。
互助会の入会に向く方と向かない方
互助会の仕組みにも、メリットとデメリットがあります。
それらを考慮した場合、入会に向く方と向かない方は、以下のように分けられます。
入会に向く方
・互助会の直営斎場での葬儀を希望される方
・豪華な葬儀を行うにあたり多少でもコストを抑えたい方
・葬儀に関する費用面の不安解消よりも、不幸があってから葬儀後までのトータルサポートという安心がほしい方
・安価な積立金で、葬儀費用の一部でも家族の負担を減らしたいと考える方
・葬儀以外の場面でも積立金を活用できることをメリットと考える方
入会に向かない方
・家族だけの小さなお葬式を希望する方
・豪華な式場ではなく、公営式場で十分と考える方
・低価格に葬儀ができることを第一に考える方
・月々の積み立ては不要、銀行預金で十分と考える方
・直葬(火葬のみ)を希望する方
・互助会の式場が近所にない方
・葬儀について、明確なビジョンやプランがまだ考えられない方
・積立金の範囲内で、全ての葬儀費用を賄いたいと考えている方
まとめ
互助会に加入することで受けられるメリットは限られているとも言えますが、そのメリットが魅力的に感じられる方にとっては、十分に有効な選択肢であると言えます。
加入に際しては、まず葬儀をどのように執り行いたいのかを明確にし、それを予算内で実現できる業者を見つけることが、失敗しない方法であると言えます。
この記事を書いた人
古橋 篤(ふるはし あつし)
チームで支えるお葬式
数年前に父を亡くした時、東京葬儀にお葬式を依頼しました。
その時の担当プランナーに助けてもらったこと、東京葬儀の想いに共感したこともあって、今の自分がいます。
自身の経験から、お客様の負担、不安を取り除き、最後のお別れに想いを向けていただけるよう心がけております。
お客様の声をよく聞き、その想いを実現することが私の仕事だと考えます。
心に残ったこと
自分が育成したプランナーがご家族から「ありがとう」と言われている姿を見たときです。
しっかりとご家族とコミュニケーションをとり、提案し、一緒にひとつのお葬式を創り上げている姿をみたときは東京葬儀の想いが受け継がれていると嬉しい気持ちになりました。
出身:東京都
趣味:バレーボール、料理
好きな映画:「リトルダンサー」
好きな音楽:クラシック