互助会のメリットとデメリット
互助会の加入にあたっては、メリットとデメリットをしっかり理解しておき、その上で加入を検討したいものです。
ここでは、メリットとデメリット、またトラブル回避のポイントをご紹介します。
メリット
互助会のメリットとして、以下のことが挙げられます。
1)互助会所有の設備の整った葬儀場で、割引価格で葬儀ができる。
2)月々の支払い額を比較的安価に設定することもできる。
3)積立金は葬儀以外(結婚式、仏壇購入費など)でも使える。
4)積み立ての途中でも(差額を支払うなどすれば)利用できる。
5)完納後も利用権は永久に保障される。
6)互助会の会館は設備の整っている場合が多い。
7)事前に葬儀のことを考えるきっかけになる。
8)事前にある程度(葬儀費用の1/5~1/3程度)の金銭的準備ができる。
9)積立金であるため、掛け捨てではない。
10)家族全員が互助会のサービス対象になる場合が多い
11)物価の変動によりサービス内容の単価が上がっても、それに伴う追加料金の発生は原則としてない。
12)積立金の値上げがない。
13)加入している互助会が倒産しても、他の互助会を利用できる。
14)もしもの場合に葬儀社がトータルにお世話してくれるという安心感がある。
15)冠婚葬祭の費用面以外でも、会員向けのサービス(旅行や講演会など)がある。
デメリット
互助会のデメリットとして挙げられる点は、以下のとおりです。
1)積立金は葬儀費用の一部に過ぎず、実際の費用面ではメリットが少ない。
2)積立金なので、利息がつかない。
3)積立金なので、現金の引き出しはできない。
4)葬儀のコースが決められているので、選択肢が限られており、理想どおりにはならない。
5)決められた葬儀コースの内容以上のオプションが必要になる場合が多く、結局積立金以上の支出をする場合が多い。
6)決められた葬儀のコースより低いランクの葬儀を選ぶことができない。
7)互助会が倒産する可能性があり、その場合、戻ってくるのは積立金の半額になる。
8)解約になかなか応じてもらえない。
トラブル回避のポイント
互助会の葬儀プラン内容を確認すること
互助会は積立金を運用して葬儀場の運営をしています。
実は、互助会の運営会員はお金を預けているわけではないのです。
分割払いで葬儀場を割引で利用できる権利を買っている、もしくはいずれその互助会に支払う葬儀の費用の一部を先払いしているようなものなのです。
会員の積立金を運用しているのであれば、勧誘が強引であったり、お得感を誇張して表現したセールストークなどにも納得ができます。
しかし、それでよいというわけではありませんし、消費者としても、内容に納得した上で加入しなければなりません。
まず考える必要があるのは、どのような葬儀を行いたいか、ということです。
費用の面、宗教宗派の面、内容の面など、考えやすいところからで構いませんので、書き出していきます。
また、葬儀の費用は、集まる人数、宗旨、家族の要望によって大きく変わってきます。
できれば、家族と相談の上、理想の葬儀についての考えをまとめて下さい。
理想の葬儀の形が定まったところではじめて、互助会の葬儀プランとの比較をすることができます。
互助会の比較ポイント
比較のポイントは
①理想の葬儀を、互助会の提案する葬儀プランの中で実現できるかどうか
②積立金の中で賄える費用は何か
③積立金で賄える部分は、理想とする葬儀に必要なものかどうか
④プランの中で足りないものは何か
⑤利用できる葬儀プランが、そもそも積立金以上の金額に設定されている(例えば、満期の積立金額が36万円であるのに対し、その積立金を利用できるプランが80万円以上の葬儀、など)ということはないか
⑥見積もりの中に必要ないものが含まれていないか
などが挙げられます。
現在では、様々な葬儀社が葬儀プランの相談に乗ってくれますし、葬儀の際に必要な費用が何かも教えてくれます。
資料の入手や相談会への参加で、葬儀についての知識を増やしておくことが、トラブル回避のために必要になります。
もう一つ重要なのが、葬儀を考えている段階と実際に行う段階では、周囲の状況が変わっている(会葬者が予想よりも少なくなっている)場合も多いということです。
互助会の葬儀プランでは、契約時よりもランクを下げたコースを選べない、または選べたとしても差額は戻ってこないと考えた方が無難です。
また、トラブルの原因となるのが、セールスの人が葬儀に関する知識を必ずしも十分に持っていない場合もあるということです。
同じ社内でも、営業と葬儀運営のスタッフは違いますので、葬儀スタッフの話も確認しておき、実際の葬儀の場面で話の食い違いが起きないようにしておくことも大切です。
2.解約の手順を確認しておく
セールスの人を相手に契約前から解約の話をするのは気が引ける、と思うかもしれませんが、後悔しないためにもきちんと確認しておきましょう。
確認すべきポイントは、解約の際の連絡先、必要書類、解約の際に必要な費用、どのくらいの割合で積立金が戻ってくるのか、満期後の解約はどのようにするのか、という点です。
ただし、解約の手続きを事前に確認したからといって、解約にすんなり応じてもらえるわけではありません。
「窓口が違う」「今、解約に関する書類を用意している」などと時間稼ぎをされ、問題になることが多々あります。
そのような場合、積み立てもしてあることだし・・・と根負けしてしまう方も多いようです。
例えば、解約して積立金から手数料(二割程度)を引かれたとしても、その残りの額でできる内容の葬儀を希望する場合は、解約に踏み切るのが一番です。
そういった場合は、互助会でない葬儀社が、解約の手伝いなどをしてくれる場合もあります。
ぜひ相談してみるとよいでしょう。
3.互助会が倒産してしまった場合
互助会が倒産した場合、積立金や掛け金の半額は戻ってきません。
しかし、役務保障制度と言って、他の互助会で葬儀ができるように紹介してもらうことはできますので、大損をする、ということにはなりません。
注意したいのが、紹介先の互助会や葬儀社、また利用できる施設などが、入会した互助会よりも利用しにくい場所になってしまう場合です。
全国規模の互助会であっても、自宅から離れていて利用しにくいと不便なものになってしまいますので、注意が必要です。
この記事を書いた人
米田 可南子(よねだ かなこ)
私も遺族だったことを忘れない
私も自身の経験から看病の疲れや、葬儀の不安というのはよくわかりますので【ご家族様の立場に立つ】ということを心がけています。
しかし、中には、故人様を賑やかに送ってあげたいなど様々なご家族様の想いがありますので、自身の経験以外でもご家族様の想いに応えるために【コミュニケーション】という部分も大事にしています。
心に残ったこと
ご家族様は悲しみや不安の中でお電話をしますので普段から電話でのお話は相手の感情を汲み取ることを心がけています。
電話でお問い合わせいただいたご家族様から「米田さんと電話をして、絶対に東京葬儀さんにお願いしよう!と思えたわ」と言っていただけたときはとても嬉しかったです。
出身:高知県高知市
趣味:旅行、スポーツ観戦
好きな映画:「ルビー・スパークス」
好きな音楽:YUKI